拍手がなければ海の藻屑

いかにドラマティックに脱衣するかを追求していくTuna Mermaid(トゥナ・マーメイド)の情報と文章。

バーレスクはいいぞと語るうちに気付くと「ああいうのとは違うんです」とか言い出して失礼になる【前編】

 一般に知られてないようなネタを一般誌の記者の人がどう取材していくか、みたいなお話を読みました。取材を受けたのは、「かたろーぐ」というボードゲームを作って遊んで広めている方のよう。 「かたろーぐ」の方が記者さんから聞かれた内容は、

 

1)自身の経歴

2)ボードゲームの魅力

3)自身でボードゲーム作りをはじめたきっかけ

4)かたろーぐを作るに至った経緯

5)どんな方に楽しんでほしいか

6)今後の目標などあれば

 

の6点。

 

 こんなの読んだらもちろん、将来自分がインタビューされたら?みたいなことを考えます。考えませんか?考えます。自分とバーレスクに置き換えてどうしよっかな!と今から取材受ける気満々で考えちゃうってものです。さーて、1・3・4は自分のことだけ答えればいいとして、2とか5みたいなのは結構責任重大になっちゃうなー、バーレスク全般にかかってくるし、でもみんなが同じ考えしてるわけでもなし、やっぱりここは<自分にとっての>バーレスクの魅力、みたいなことを言うしかないよね~。

 

<わたしにとっての>バーレスクの魅力

 バーレスクの一番の魅力は、踊ってる人自身が「いい」と思ってる形での裸と、その裸・性にまつわるファンタジーを見られることです。性にまつわるファンタジーというのはつまりはエロとかお色気とかセクシーとかエロスとかそういうののことを言いたいんですけども、どれもあんまりぴったりこないので、とりあえず「おっぱいファンタジー」とでも呼んでおこうと思います。

 バーレスクを踊るのはおおよそは女の人で、その女の人が服を脱ぐわけだからやっぱりおっぱいが気になるよね、というのはそれなりによろしいかとは思います。そしてまた、女の人のおっぱいには男の人の需要が常にあるよね、というのも間違いなさそうかなと思います(男の人全員が常にそうだという意味じゃなく、見たい人は必ずどこかにいるよねという意味で)。で、その需要に応える形でおっぱいを見せる、おっぱいファンタジーを提供する、そしてそれで対価をもらうというのが普通の流れだと思うし、そういうものは世の中には既にたくさんあります。

  私にとってのバーレスクの魅力は、このあたりが逆になってるような感じがすることです。イメージとしては、まず踊り手の人から「こういうおっぱいファンタジーがいいと思うんですよね!」という提案があって、そしてそれを受けてお客さんがいいなとか素敵だなとか思う、という順番な感じがするのです。お客さんの需要に合わせたおっぱいファンタジーを提供するんじゃなくて、自分が見せたいおっぱいファンタジーが先にあるような気がするのです。これは私個人がそんな気がしたとかしないとかそういう感覚的な話にしかならないのですけど、でもそのような順番であるような気がするのです。

 

おっぱいファンタジー 

 おっぱいファンタジーとかおっぱいとか、あとおっぱい付いてる人にまつわるファンタジーも含めると、そういうものは世の中にたくさんあります。AVとか風俗とかそういうのはもちろん、テレビとか雑誌とか映画とかあとなんか町中の広告とか、外歩いてても家の中にいても何かしら見ていると思います。そして、世の中一般のおっぱい需要がどういう感じかもだいたいみんな知ってると思います。ほら、Googleの画像検索に「おっぱい」とか「エロ」「セクシー」とか入れると出てくるこの感じ。知ってる知ってる。

 ここまで言っててわかると思いますけど、わたしは世間一般で流通してる感じのおっぱいファンタジーがあんまり好きじゃありません。うっわもうほんと勘弁してよげんなり、みたいなこともあるし、きれいだけどなんかこれじゃないなーうーんぐらいのこともあるけどとりあえずそんなに好きじゃないです。ソフトなものならいいかというとそうでもなくて、でも逆にどう考えてもありえないでしょぐらいの鬼畜系エロゲは平気だったりするんですけど、とはいえ「あのエロゲ出るから来月まで生きるわ!」みたいにはなったりしないです。なんで嫌なの?って言われても困るんですけど、とにかくまあそれほど好きじゃなくて、そうしてわたしはおっぱいファンタジー全般を自分にとって好きじゃないもの・要らないものフォルダに入れてきたように思います。

 女の人の裸はそういう世間に流通してるもの以外に、美術館にある彫刻とか現代のドキュメンタリーだとか、そんな芸術・文学作品みたいなのにもあります。そういうものが不要なものフォルダに入ることは、さすがにありませんでした。ありませんでしたが、でもそのへんになるともうそれはおっぱいじゃなくて、「乳房」とか「悲しみ」とか「豊かさの象徴」だとか、そんなだいぶ遠い感じの言葉で表されるなにかです。別物です。だから豊かさの象徴が素晴らしくてもおっぱいが素敵になることはなかったし、おっぱいファンタジーは変わらず同じフォルダの中でした。

 

素敵なおっぱいファンタジーもあるのだ

 でも、バーレスクの人のおっぱいファンタジーは、なんか全然違いました。違くないものもあるけど、でも見てていいなー素敵だなーと思うものがいっぱいありました。そしてそれはさっき画像検索で見てきたような感じではなくて、もちろん美術館の乳房でもなくて、おっぱいなんです。おっぱいなのに、素敵。なんで!?

 ここまできてあれなんですけど、なんでわたしがバーレスクのおっぱいファンタジーを素敵だと思ったのか、全部ちゃんとわかってるわけではまだないです。すみません。でも自分の中でひとつ確定なのは、最初に書いたように、踊る人が自分で素敵だと思ってることが先にありそうだな、ということです。世の中の需要がどういうのか知らないはずはないのにそれは脇に置いて、自分がいいと思うやり方でおっぱいを語ってるところがとても素敵なのです。需要はこっちで作ってやんよ、って言ってそうな!かっこいい。そしてそのあとで、お客さんも素敵だなーまたこれ見たいなーと思って次のときに来てくれる、需要になってってるように見えます。もちろん需要につながらないこともあるだろうし、でもそれでもやっぱり自分のおっぱいファンタジーを語るのだという雰囲気もあったりして、またかっこいいんです。そこらへんがいいことなのかどうかはまた別のお話としてあるかとは思いますけど、とにかくわたしは素敵だと思ったのです。

 そんな感じで素敵なものをたくさん見て、この世には素敵なおっぱいファンタジーも存在するのだと、おっぱいだから、おっぱいファンタジーだから好きじゃなかった・要らなかったというわけじゃなく、好きな感じのおっぱいファンタジーとそうでもないおっぱいファンタジーがあって、そうでもないのばっかり目にしてきたから嫌になってただけで別にわたしはおっぱいもおっぱいファンタジーも嫌いじゃなかった!むしろ好きだった!好きっていうか必要だよこれ明日生きるために必要な心の栄養とかそういうあれだよ、これまた見られるなら来月まで生きようって思える!思えた!だからみんなバーレスク見に来なよ!世の中にあるのじゃない、違うおっぱいファンタジーがここにはあるから!世間の需要に合わせたような、ああいうのとは違うからさ!!

 

……って、あれ、わたしいますごい失礼なこと言ってない?

 

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