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拍手がなければ海の藻屑

いかにドラマティックに脱衣するかを追求していくTuna Mermaid(トゥナ・マーメイド)の情報と文章。

バーレスクとの出会いその2: 言いにくいけど、不可解でした

Burlesque/バーレスク

 「バーレスクとの出会い」の続きを書く前にバーレスクデビューを済ませてしまいました。Midweek Burlesque Vol.30ご来場の皆さま、ご来場ありがとうございました。そうでない方は、よろしければ24日の「歓楽通り。」でお会いできますと幸いです。ここでデビューほやほやの気持ちなんかを書くとそれらしくなるのかとは思いますが、そこはほったらかしにして前回の続きを書こうと思います。

 

 

 バーレスクとの出会いはほとんど全てペイスティの衝撃に持っていかれたわけですが、感想としては「思ってたんと違うけどなんか楽しかった」。アギレラの映画みたいなものはなかったけれど、驚きと楽しさとあとほんの少しの不可解さのあるエンターテイメントがそこにはあって、よくわからないけどこっちのほうが好みだなーと思ったのです。またこういうの見たいなー。お芝居の探し方もそうですが、いいなと思うとこがあったら取りあえずその団体と関係者を追いかけるか、もしくはその日に折り込んであるフライヤーの中でビジュアルで気になるものがあったとこに行ってみるなどするものです。そのようにしてバーレスクをときどき見に行く生活が始まりました。当時は昼に起きられない引きこもりでしたので、夕方起きれば何とか間に合う夜のイベントはとてもありがたかったです。
 映画や舞台と違って毎日どこかでやってるというわけではない。自分で探さないとどこでやってるかはよくわからない。夜の開催だから何となく行きにくい。たいてい一晩で終わるから口コミとかも頼れない。というかそもそも見る方の人口自体も少ないっぽい。そこそこハードルは高かったですが、以前からのサブカル好きが役に立ちさほど負担も感じず一人で見に行っておりました。お金払って見に行って怒られるようなことはないし、合わなかったら終電気にするフリして途中で帰ったっていいのです。これは、知り合いがいないという気楽さも一因だったかなとも思います。
 さて先ほど「不可解さ」と言いました。紫ベビードールを見たときにもうっすらあったのですが、それ以外のイベントを見るうちにその不可解さの輪郭がかなりはっきりしてきました。それは何かと言いますと、自分も始めた身ですごく言いにくいけど、でも言っちゃうけど、ああ言いにくい。

 

 いわゆる「キレイ」じゃない人が結構いる

 

 ああもう、ほんとごめんなさい。でもそうでしょ?みんなそう思ってるでしょ?バーレスク見始めた人はみんな共通してそう思うと思うの!だってほら、バーレスクって脱ぐ芸なわけですよ。世間的には脱いでいい人っていうのはグラビアアイドルみたいな人だけであって、そうじゃないところに需要なんかないっていうか、なくはないけどゲテモノ扱いだったりとか「ほんとはグラビア系がいいけど無理だからこの辺で妥協」みたいな感じなわけですよ。がっかりおっぱいって言われたり。だから、「キレイ」じゃない人が脱いで踊ることが許される空間があるということが全く不可解なことだったんです。
 で、ここで今いわゆる「ブスキャラ」のことだと思った人がたぶんいると思うんですけど、というか私も最初はそういうのかなって思ったんですけど、ほら、ブスさを強調して汚い感じをのことして滑稽でしょみたいな。でもね、それが違うんですよ……。テレビとかだったらブスキャラになりそうなザ・日本人体型の人がすごくかっこいいショーしてたりするんですよ……。これがもう、ほんとに不可解で。美人枠に入んないならブスとして笑いを取れって普通だったらなってるはずなのに、なってなくて。いいの?ほんとに?美人じゃないのにブスやらなくていいの?キレイじゃなくてブスでもないって、許されるのそれ?もちろん日常生活だったら美人でもブスでもないことに許されるも許されないもないと思うんですけど(思いたいんですけど)、問題はそれがステージの上だってことです。つまりは「それってエンタメとして成立するの?」っていう。だってキレイでもブスでもないだなんてわかりにくいじゃないですか。
 自主制作の映画だったり小劇場のお芝居だったりでは、キレイでもブスでもない人っていっぱい出てきます。普通の生活をする普通の人としてとか。でもそれって閉鎖空間にお客さん閉じ込めて2時間とかかけてやるお芝居だから成立するわけじゃないですか。サブカル好きっていうわかりにくさを求める客層に向けて、時間かけて背景とか説明して物語作り込んでようやく許されるわけじゃないですか。だからそうじゃないテレビだったりCMだったりあと集客しないといけない映画だったりは、誰が見てもキレイでカワイイ人か、笑うためのブスかってなってるじゃないですか。キレイだったら見たいってなるし、ブスだったら笑いたいってなるし。わかりやすい。だってそうじゃないとチャンネル変えちゃうもの。
 バーレスクは形式としては5分10分のショーで、場所もお酒飲んで出入り自由なところがほとんどです。絶対「わかりやすいもの」で押したほうが有利なはずなんです。しかも脱ぐ芸なんだから、こんなキレイな子が裸になっちゃうよ~とか、ほら見てこの三段腹!汚い!汚いでしょほら!とか、普通だったらそうすると思うんですけど、だってそれが一番わかりやすいから、だからそれ以外の要素とか入れたらわかりにくくなるからそれだけやる、みたいなふうに絶対なると思うんですけど、でもそういうことあんまなくて、キレイな人もそうじゃない人も普通にショーやってて、普通にみんなかっこよくて、そうやって1年くらいバーレスク見続けてたら、普通ってなんだろな。って思うようになりました。世の中のエンタメの普通は別のとこにあるけど、こういうキレイな人もキレイじゃない人もいる場所のほうが普通な気がするな。そしてそういう普通の人がそれぞれに自分で一番いいって思うもの持ってきて見せてくれるってすごく贅沢だよな。大げさだけど、バーレスクというものが存在する人生で良かったな、ぐらいに今では思うようになりました。めっちゃキレイでめっちゃ踊れるパーフェクトな人がが突然笑い取りに来るかと思えば、おっぱいぺったんこな人が超絶ゴージャスなショーやってたり。そういう油断ならないステージを、これからも見に行きたいなって思っています。

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